どこまでが愛情で、どこからが異常性愛なのか


こんにちは。
わたしは、いちどひとを殺したいと思ったことがありますー
物騒な言葉ですね。誰もがこのような文章を目にしたら不快感をあらわにし、眉をしかめるでしょう。
今回筆者がここに記すのは、ある女性の告白です。
簡単に言ってしまえば、彼女が遠いむかしに経験したある男性との恋愛についての告白ですね。
彼らの関係は非常に複雑で、しかしある意味では究極にシンプルなものでした。
あるいはそれは恋愛と呼べるものですらなかったのかもしれません。
今回は彼女の言葉に忠実に、
(もちろん筆者が知るのは彼女が話した言葉のみです。
相手の男性の感情などは彼女の口から聞き出した言葉から推測するよりありません。)
世の中に数多ある男女関係の1例を紹介したいと思います。

 

彼女がその男性と知り合ったのは、友人を介してというありふれたものでした。
彼女は回想します。
「そこは薄暗い部屋で、
たくさんの男女が親密な雰囲気でなにか自分の知らないものを共有しているような場所だった。」と。
時が経つにつれ、彼女は彼らの共有していたものの存在の意味を知るようになるのですが、
それはまた彼女が彼に初めて会ってから数年経ってからのことです。
彼は彼女がその部屋の入り口に立っているのを見て、笑ったそうです。彼女があまりに場違いに見えたから。
「それがいままで見たことのないような笑みだったから、わたしは彼に一瞬で惹かれたの。」彼女は言います。
彼らが親密な関係になるまで、そう時間はかかりませんでした。
彼女が彼に初めて抱かれたのも、そのできごとをきっかけに、すっかりいままでの生活を変えてしまったのも。
「わたしたちはわたしたちの世界に溺れていった。息もできないくらいにね。」これは彼女の言葉です。
実際に生活は荒れていきました。寝る。セックスをする。たまに仕事に出かける。セックスをする。
「一緒に死のうか。」ある日いつものように抱き合って眠ったあと、彼は言いました。
「いいよ。」彼女の答えに、彼はあのいちばんはじめに会ったときの笑みを浮かべて、冗談だよ、と言ったそうです。
しかし、そんな関係を続けて1年ほど経ったころでしょうか。
「おまえを殺したくなるんだ。それが怖い。その前におれを殺してくれないか。」これは彼の言葉です。
彼女はそばにあったベルトを彼の首にかけました。その瞬間、彼は見たこともないような怯えた表情をしたそうです。
「おまえが怖いんだ。」「じゃあ、わたしを殺してよ。」
彼女は掴んでいたベルトを自分の首に巻きつけ、彼の手に握らせました。
「彼は泣いたの。わたしは、その瞬間、彼を殺したくなった。力いっぱい手で彼の首を絞めてね。」
「それで、ぜんぶおわった。」彼女は寂しそうに笑いました。

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さて。果たして、彼らのとった愛情表現のしかたは正しかったのでしょうか。
愛情のかたちに、正しさは存在するのでしょうか。
そもそも、彼らは月並みな言葉で言うと、「愛し合っていた」のでしょうか。
彼女は、それはわたしにはわからない。おそらく一生わからないだろう、と言います。
ひとの恋愛にはさまざまなかたちが存在します。
それをあかの他人がどうこう言えることではありません。
しかし彼らの関係のおわりかたは、とても悲しいものですね。



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