こんにちは。
最近、世界中でLGBT関連の動きが活発になってきていますね。
LGBTという言葉も広く知られてきたような気がします。
私ごとになりますが、筆者は高校生になるまでは男性に恋をしたことがありませんでした。
ずっと自分はレズビアンだと思っていました。
その後17歳で男性とお付き合いすることになって、
自分は男性も女性も愛せる人間だということに気づいたのですが、
それまでの筆者は自分が同性愛者だと思っていたので、
友達の読んでいる学園恋愛ものの少女漫画にはまったく興味がありませんでした。
そんな少女時代に筆者が読んでいたのはもっぱら自分と同じ存在だと思っていた、ゲイやレズビアンが主人公の漫画。
筆者は漫画だけではなく小説もよく読むのですが、
中学、高校時代に読んでいた小説も同性愛者が主人公のもの、
あるいはLGBTの問題について書かれた専門書が多かったですね。
そのころは家族や友達にも自分が両性愛者だということをカミングアウトしていなかったので、
漫画を買っても本屋さんでカバーをかけてもらって本棚の奥に隠したり、
図書館で借りた本もなるべく家族の目に触れないように気を付けていました。そんなころが懐かしいです。
現在筆者は、家族にも友達にも自分がバイセクシャルであることをカミングアウトしています。
さて。前置きが大変長くなってしまいましたが、
今回は、そんな筆者が少女時代から現在にかけて読んできた、
LGBTに関しての問題を扱った漫画作品を紹介します。
1 オクターヴ 秋山はる著 講談社
“売れなかったアイドル”、宮下雪乃18歳。
彼女は芸能界を引退し一度は地元に戻るものの、
その過去から同級生やまわりの大人たちから好奇の目や中傷にさらされ、
高校を中退し、再上京して現在はかつて所属していた芸能事務所でマネージャー見習いとして働いている。
私は誰からも必要とされていない。孤独な日々が続いていた。
そんなある日、雪乃は偶然入ったコインランドリー店で元ミュージシャンだという女性、岩井節子と出会う。
節子は雪乃に好意を抱き、その肌に触れる。そしてふたりの密やかな関係がはじまった。
若いレズビアンカップルを主人公に描かれた作品です。
正直少女漫画誌でこんなに本気に同性愛を扱った漫画が読めるとは思っていませんでした。
筆者がこの漫画に好感を持ったのは、
異性愛、同性愛に関係なく恋愛には綺麗なだけではない部分があること、
異性愛者だと思っていた自分が偶然にも同性である女性と関係を持ってしまい、
そして彼女に確かな恋愛感情を抱いていくことへの戸惑いなどのリアルな心理描写が、
とても細かく、そして美しく描かれていることでしょうか
もちろん普通に少女漫画を読むときのような恋愛のきらきらした部分も楽しめます。
2、きのう何食べた? よしながふみ著 講談社
几帳面な弁護士、筧史郎と人当たりの良い美容師、矢吹賢二はゲイカップル。
都内の2LDKのマンションで暮らしている。
史郎は仕事を終えてからの料理を一日の楽しみとしており、賢二は彼の作る夕食が大好物。
そんなふたりの食事をメインとしたほのぼのとした毎日。
筆者がこの漫画を手に取ったのは、
自分自身料理がすきで「きのう何食べた?」というタイトルに惹かれたからでした。
実際にもストーリーのほとんどが史郎の作る料理の描写に当てられています。
しかしそんな彼らの毎日のなかにも、
ゲイであるがゆえの事情や、筧家を舞台として同性愛者の息子とその両親がどう向き合うか、
などの真面目な描写もところどころに散りばめられています。
しかしそんな重たいテーマを扱いつつも、主人公カップルのほのぼのとした生活が微笑ましく、
深刻になりすぎずに読み進めるところが良いですね。
もちろん主人公の作る美味しい節約レシピも必見です。
いかがでしたか。
今回は、レズビアンカップルとゲイカップルの生活を描いた漫画を2作品紹介させていただきました。
LGBTへの世間の理解の乏しさや偏見はまだまだ存在していると思います。
しかし、漫画という身近なツールで同性愛者やその他性的少数者も普通に恋をし、生きているんだ、
ということをたのしく感じていただければ幸いです。
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