こんにちは。ノノです。
今までの記事でも書きましたが、世の中にはたくさんのセクシュアリティの人がいます。
代表でいえば、ゲイ、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーなどなど。ストレートの方ももちろん含まれますね。
自分自身がバイセクシャルであることもあり、筆者は「ジェンダー」にまつわる事柄をいままでたくさん調べてきました。
そこで知ったのが、今回ここに書かせてもらうインドの「ヒジュラ」という人々の存在です。
今回は少し世界に目を向けて、「ヒジュラ」の方々についておはなしさせてもらおうかと思います。
1.「ヒジュラ」ってなに?
ヒジュラとは、インドをはじめ、パキスタンやバングラデシュなどの南アジアにおける第3の性を持つと言われている人々のことを言います。
そして「ヒジュラ」とは、ヒンディ語で「半陰陽」や「両性具有」などを意味する言葉です。
ヒジュラを西洋のジェンダーの区分で分類することは簡単ではありません。
しかし、彼ら(彼女ら?)は一般的に見れば肉体は男性、あるいは半陰陽者です。
多くのヒジュラは青年期以降に自分の意思でヒジュラの集団に加入し、そこで完全に去勢をした男性であり、現地では男性でも女性でもない第3の性として認知されています。
2.「ヒジュラ」のジェンダー
ヒジュラをジェンダー的に語るのはとても難しいです。
たとえば男性と性行為を行う男性で女性的な役割をする側の人々のことを、現地では「コティ」と呼びます。
彼らは女性として振る舞い、女装をして普段は女性として暮らしています。
しかしこの「コティ」と呼ばれる人々と「ヒジュラ」は現地ではまったく違う存在として認識されているのです。
わたしたちの感じるジェンダー的な感覚でいうと、ヒジュラと呼ばれる人々はトランスジェンダーの方々と似ているかもしれません。
3.「ヒジュラ」になるために
通常、ヒジュラは「グル」と呼ばれる指導者でありリーダーであるひとりの家長と「チェーラ」と呼ばれる数人の弟子からなる家族で暮らし、「チェーラ」たちは「グル」の指導のもとでだんだんと女性的になってゆきます。
そして完全なヒジュラになるための儀式が、完全去勢を伴う宗教的儀式です。
現代はトランスジェンダーの男性に施されるような造膣手術などの技術がありますが、ヒジュラたちは現代のそういった手術に頼ることなく同じくヒジュラである仲間の手によって、麻酔や止血、縫合などを行わずに、ナイフで陰茎や睾丸を切除するといった原始的な方法で完全な去勢を施されるのです。
4.「ヒジュラ」とカースト
ご存じの方がほとんどでしょう。
公的には廃止されたものの、インドではまだまだカースト制度の名残りが見受けられます。
カーストは主にブラーミン、クシャトリア、バイシャ、スードラという4つのくくりにわけられていました。
そしてその4つの身分よりさらに下の不可触民とも呼ばれるアウトカーストの人々が大勢いたのです。
ヒジュラはカースト的に言えばアウトカーストの身分です。
各カーストが職業と密接に関係していたように、
ヒジュラたちもカーストに準ずる職業として、
結婚式やこどもが生まれた家庭に祝福の儀式をささげたりといった仕事をしていました。
彼らの仕事はいまでも変わりません。
そしてその職業柄、彼らはアウトカーストであるという厳しい現実のなかでも変わらずにその仕事に誇りを持って生きています。
いかがでしたか。
普段日本で生活してればあまりなじみのない「ヒジュラ」という方たち。
この記事を読んでいただいたことをきっかけに興味を持っていただけたら嬉しいです。
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