「かわいい女の子」の呪い

こんにちは。
小学生の頃はよく男の子に間違えられていました、ノノです。
冒頭からいきなりですが、今日は私がどんな小学生だったのかをお話しさせていただきます。

それなりに成長してからの私を知っている人たちには信じてもらえないと思いますが、
私はとても活発な女の子でした。

裏の山で虫取りをしたり、裏の山を段ボールで作ったそりで滑ってみたり、
裏の山に秘密基地を作って遊んだ事を覚えています。

小さい頃から割と何にでも興味を持つ子供だったので、裏の山はもちろん、
少女漫画の貸し借りや、(私はりぼん派でしたが、友達2人はそれぞれなかよし派、ちゃお派だったので、よく3人で回し読みをしました。)

その他にもアイロンビーズ、シール交換と、まあまあどこにでも居る普通の女子小学生でした。

 

ただ、クラスの中で少し変わっていたというか、
「どうして?」と聞かれる事が多かったのが、
赤やピンクの女の子が多い中でランドセルの色がワインレッドだったこと、
髪型をいつも短くベリーショートにしていた事でしょうか。

学校からの帰り道でよく知らないおばあさんに話しかけられたのですが、
(恐らく1人で歌を歌いながら歩いていたり、後から考えてみると、あの子大丈夫かなあ、と周りを心配させる子供だったのかもしれません。)

そういう時、決まって私は男の子に間違われました。

髪型と性別の区別の付きにくい色のランドセルを背負っていた事、スカートが好きではなくてズボンばかり履いていたからだと思います。

「どうしてノノちゃんはいつも凄いショートカットなの?伸ばしてポニーテールにした方がかわいいのに。」
「そのランドセルって自分で選んだの?変わってるね。」

クラス替えのたびに同じクラスになった女の子たちに言われました。

「たまにはスカート履いてみたらいいのに。」

どうして、と聞かれても、

単に昔から朝が弱く髪を編み込んでいると遅刻をしてしまうし、
ランドセルは父と母が選んでくれたものですが自分でもとても気に入っていました。

ワインレッドは私にとって「かわいい」色でしたし、
クラスで1つだけのそのランドセルは自分のものだとすぐに分かって嬉しかった。

スカートはそり遊びをする時にパンツが見えてしまうのが嫌だった。

しかしそういう説明をいちいちしていると、そうして声を掛けてくれていた女の子たちも段々と「こいつ面倒くさい奴だな。」と思いますよね。

昔から私は空気の読めない子供だった。

そしてそういう雰囲気は空気のようにクラス中に広がっていきます。

いつしか私は、
「変わっている子」「目立ちたがり屋」
「わざと男の子みたいな格好をして男子の気を引こうとしている」

男の子からも、
「女子なのに男子みたいな格好をしているよく分かんない変な奴」
そういう子供になっていました。

今思うと、小学生の言葉は中々辛辣ですね。

どうしてかわいいスカートを履かないといけないんだろう。

どうしてワインレッドのランドセルは目立ちたがり屋で変わった子のものなんだろう。

どうしてかわいい女の子を見ていると自分まで嬉しくなってしまうのはおかしい事なんだろう。

男の子になりたい訳じゃないのに。かわいいことが嫌いな訳じゃないのに。

私だってかわいいものは好きなのに。

そういったいくつもの「どうして」は後々自分を苦しめる事になるのですが、

この頃からすでに私は今「かわいい女の子」の呪いにかかっていました。

 

私はかわいいものが好きです。

きらきらしたアクセサリー、
ラメが綺麗なアイシャドウ、
かわいい女の人、
かわいい男の人。

そして自分だってかわいい人になりたい。

あの頃は自分が「かわいい」と思うものを「どうして」なのかを上手く説明できなかった。

「どうして」そうなのかを説明しなければいけないルールなんて無いはずなのに、
自分がどんな人間なのかを細かく伝えなければいけなかった。

そんな事、大人になった今でも分からないのに。

ただ1つ言えるのは、
「かわいい女の子」にこだわっていたのは、
あの頃の自分自身だったという事です。

自分にかけた呪いは自分を殺します。

誰かに「どうして」と聞かれても、
「これが私にとっての「かわいい」なんだよ。」
そう言えるようになるまでは長い時間がかかるけれど、
きっと「かわいい」は人それぞれ。

女の子はみんなかわいい。男の子だってかわいい。

こうして言葉にする事だって本当は必要のない事のはずなのに、
私たちは無意識に色々な事の理由を探してしまう。

いつかそういう「どうして」から解放される日が来たらいいなあ、と、
今日も色々な「かわいい」に囲まれながら思っています。